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2007年09月17日
 地獄の夜間耐久ツーリング

2007年9月15日~16日-----地獄の700数10km

プロローグ

何年ぶりだろうか。もう10年以上も前になるかも知れない。
以前は、お世話になっているバイク屋さん主催のツーリングに頻繁に参加していた。
当時はまだオフの林道が近場にいっぱいあり、月に1度の割合でオフロードツーリングが行われていたのだ。
私がXLR250Rに乗って参加したロードツーリングが最後だったか。
バイク業界が不調になり、遠出しないとオフロードもなくなったせいで、パッタリとツーリングが開催されなくなってしまった。
何日も店を空けられない店としては、日帰りツーリングが限界だったのだ。

調布で集合&夜の山道で
いかん、遅刻した夜間のワイディングこわいよ~











思い返せば、私が初めてバイクに乗ったのもこの店で買ったハスラー50だった。
バイクの師匠とも言える人達がゴロゴロいて、一緒に走っては自身の未熟さを思い知らされて一人川原や山に練習に行ったものだ。
転倒した回数は、ハスラー50だけでも50回以上。
乗り継いだ10台以上のバイク全部合わせると、何度転んだかわからない。
運動神経のあまり良くない私は、バイクの挙動や操り方を体で覚えるしか無かったのだ。

当時の私は走り屋に近かったかも知れない。
山に行っても自分の先を走る者は追い抜き、いつしかツーリングでも先頭を走る事が多くなってきた。
そんな頃、バイク屋さん主催のツーリングが無くなったのだ。

道の駅ちちぶ&夕飯はスカイラーク
閉店しとるし、誰もおらん御飯少な!











いつしか体も言うことをきかなくなり、集団行動のマスツーリングもマイペース派の私には疲れるものとなってきた。
私の中で、バイクが走りを楽しむための道具から、どんな目的地まででも素早く移動するための便利な道具に変わってきた。
それでもなお、快適な道を走っているときの楽しさは今も変わらない。


目的地など無かった

8月の終わり、バイク屋さんからツーリングの誘いの電話があった。
前回のツーリングを体調不良で辞退した私は、体と相談しながらも今回は行けると思うと承諾した。
事前に聞いていた情報では、スクーターが多いことと静岡まで行くということだけだった。
さらに、出発が夕方の5時であることから夜間ツーリングが予想される。

八千穂高原スキー場&星空を仰ぐ
当然この季節はスキーできん星が近く感じるな~











集合は調布インター手前のコンビニの駐車場。
約束の時間のPM5時、私はまだ国道20号を走っていた。
連休とラッシュアワーが重なってか、道はどこも大渋滞。大型車1台抜くのもままならない。
余裕を持って1時間ほど前に家を出たのに、数10分ほど遅刻してしまった。

やっとの思いで集合場所に着くと、他のメンバーは全員そろっていた。
メンバーは全員オッサンである。40代3人に50代3人の計6名だ。
昔よく一緒にオフロードの林道を走った仲間だが、あれから10年。みんな歳をとった。

バイクは私がTW225Eで、他は全員が125ccのスクーター。
エンジンは、1人だけ2サイクルだったが、あとはみんな4サイクル。
みんな上は長袖のライディングジャケットを着込み往年の走り屋を思い起こさせるが、下はジーンズやチノパン。
もちろん半キャップのヘルメットなど1人もおらず、全員手袋もしっかりしたものを装着している。
音のうるさいバイクも1台もいない。
近年、リターン暴走族などという言葉を耳にするが、我々はそんなのではない。
マナーは守って楽しく運転するのだ。

どのバイクも燃料タンクが6~7Lで行続距離が心配なので、各自数Lのガソリンをボトルなどに入れて持ってきている。
目的地を聞いてみたが、はっきりしない。一番遠いところで静岡くらいとの事だった。
私以外は125ccなので高速道路は使えない。
下道それも夜の山のワイディングばかり通って700kmほど走って帰ってくるとの事だ。
これは大変なツーリングに参加してしまった気がする。
私は道もわからないので、とにかく後ろに付いていけばいいのだ。

国道20号から奥多摩街道で山に向かい、いきなり夜のワイディングを走ることになった。
4サイクル125ccのスクーターなんて余裕で付いていけると思っていたが、みんな速い速い。
ヒラリヒラリとコーナーを回り、立ち上がりでもスムーズに加速していく。

TWは重い上に立ちが強く、旋回性もあまり良くない。
ギアはワイドレシオの5速なので、常に適切なギアを選ばないと失速してしまう。
普段いいかげんな走りをしていたのと運動不足で、ついに私の体が悲鳴をあげた。
クラッチを握る左手の指がつってしまったのだ。
手を離しても指が曲がったまま戻らない。
最初のワイディングでこの調子で、これから数100kmも耐えられるのだろうか。

しかたなく、クラッチは使わずにシフトチェンジし、曲がった指をハンドルに押し当てて筋を伸ばす。
気づくと前を走る仲間はかなり遠くまで離れてしまった。
前を走る者がいなくなると、街灯の全く無い峠道は闇が迫ってくる。
決して明るいとは言えないTWのライトで照らされる道は、スピードが乗るほどほんの先しか見えなくなってくる。
ちょっとでも枝道や中央分離帯のポールがあれば、一瞬自分の進むべき方向を見失ってしまう。

しばらく走ると、前を行く仲間が道路脇のスペースで休んで待っていた。
ここで一服して体をほぐし、すぐにまた出発である。

国道299号で秩父を目指してひた走る。
指のつりも治り、体もほぐれて調子が出てきた。もう仲間に遅れる事はない。
秩父に着いたら遅めの夕食だ。
道の駅ちちぶに着いたが、建物は真っ暗で営業していなかった。
近くにスカイラークがあったので、そこでビーフハンバーグと焼き肉の和風セット大盛りを食べた。
大盛りにしてはライスが少なくて不満だったが、支払いのときに大盛りは21円増しだと知って納得した。

食事が終わって、すぐまた出発だ。
299号をひたすら走り、埼玉から一瞬群馬を通り、十石峠を経て長野に入る。
八千穂高原スキー場で一服タイム。満天の星空を仰いで10分ほど休憩だ。
こんなとき、スモーカーが多いと助かる。
一服するたびに休めるのだ。6人中4人までがスモーカーだったが、全員携帯灰皿を持参していた。
時刻は22:30。そろそろ眠気が襲い始める時間だ。

八千穂から国道152号で愛知の県境を通って静岡に向かう。
すると、後ろを走る2人が付いてきていない事に気づいた。
引き返してみると、1人スクーターのエンジンがかからなくなって止まっていた。
こんなとき、バイク屋さん主催のツーリングは便利だ。
メカニックを連れて来ているようなものなので、あっと言う間に直してもらえる。
原因は配線の途中で電気がリークしていたのだ。

気を取り直して再出発。また山道を延々と走る。
時刻は24:00を回り、みんな眠くなってきた。
道の駅を見つけて小休止。

明かりに集まる虫たち&クスサン
いろんな虫が来てるでかくてキモ~











道の駅は営業時間外で誰もいなかったが、夜の明かりに虫たちがいっぱい集まっていた。
クスサンなどの大型の蛾も何匹も集まっていた。
明かりに集まる虫を求めて、肉食のカマキリやアマガエルなども待ち伏せていた。
時刻は2:00に近づき、眠気が襲ってくる。

カマキリ&アマガエル
良いエサ場だのう吸盤は便利じゃのう~











またワイディングを延々と走る。
峠にさしかかるころ、雨が降り出した。道路脇にバイクを停め、各自レインウエアを着込む。
気温も下がって冷え込んできた。フリースを取り出して着て、その上に雨具を着た。
雨の夜の峠道は緊張する。
路面が濡れてグリップが下がる上に、ライトが反射して路面状況をつかみにくい。
しばらく行くと、雨の上に霧が立ちこめてきた。
最悪のコンディションである。先が見えない。
前を行くバイクから離れないように、ピッタリ付いて走る。

静岡に出る途中、予定していた道が通れない事が判明した。
自動車専用道路。125cc以下の車両と自転車や歩行者は通れない。
私以外は125ccで通れないので、仕方なく迂回して進むことに。
しかし、ガソリンが心配である。2サイクルの1台は、みなから予備のガソリンを分けてもらって給油する。

こちらが迂回路&自動車専用道路
距離があるのでガソリンきつ~けしからん!











ここで夜が明けて空が白々となってきた。
時刻は5:00、もうナイトランの恐怖ともおさらばだ。
雨は小振りになったが、山の方は雲が厚く立ちこめ、反対側は晴れている。
我々は山に向かって走っているので、これからも雨に祟られそうだ。

川の脇の道をたんたんと走る。
今まで音しか聞こえなかった渓流が姿を現す。
ヤマメやイワナがいっぱい釣れそうな良い川だ。
今回は釣り具は持ってきていないし、マスツーリングなので釣りはできない。

小さな村で小休止&釣り人発見
川が近いってイイな~何を釣ってるのじゃ~











小さな村で小休止。川で家族連れだろうか、何かを釣っている。
女の子が釣っているように見えたのだが、あとで写真を確認したらオッサン達だった。
少し休んでまた出発だ。
みな眠気や雨と戦って、かなり疲れが見え始めた。
意識をしっかりと保たないと墜ちそうになる。

トンネル脇で休憩&林道大島線
雨ひどい~いいガレ具合じゃ











雨が一段と激しくなり、雨粒がアゴに当たって痛い。
いい眠気覚ましになるが、どっちにしてもツライのに変わりはない。
ここで、トンネル脇で休憩。
横に「林道大島線」の標識が見える。
「大島」の名前に惹かれて思わず撮影。
入り口からいきなりの急勾配&倒木まで見えるガレ具合だ。
もちろん、オフも走れるバイクは私のTWだけなのでパス。
みな疲れ、バイクの上に覆い被さって少し(10分も無いが)でも仮眠をとる者も数名出てきた。
気を取り直して出発。

泥流と化した川&土砂降り
これじゃ魚は釣れんな参った参った











思ったより街まで距離があり、本当にガス欠が心配になってきた。
私のTWも、すでに予備タンに切り替わっている。
閉まっているスタンドにバイクを停め、残りの予備ガソリンを全て給油する。
これでスタンドがある街まで何とかもちそうだ。
時刻は7:30、だんだん意識がもうろうとしてきた。
気を確かに持たねばならない。
撮影した写真はこれで最後となった。
写真を撮ることさえ、意識の中から消えてしまったようだ。

体に鞭打って再出発。
走行中に、一瞬フッと意識が飛んで気合いを入れ直す。

やっとのことで街に出て、コンビニで栄養ドリンクを買って飲んだ。
休んでいると爆音が近づいてきて、暴走族の集団がやってきた。
マンガから抜け出したかのような格好で、改造車に2人乗りして対向車線を走ってくる。
迷惑な連中だ。
バイクを端に停めておいて良かった。
あいつらの脇に停めてあったら因縁つけられそうでイヤだ。

静岡市街で給油し、清水を通って富士山を目指す。
先日アナゴ釣りに来た近くだが、釣りはできない。
釣り具さえあれば、1人ここで残って釣りして帰りたい気分だ。

日が昇って車の数も増えてきた。
渋滞路は非常に眠気を誘う。
なるべく眠くならないように、市街地より山道を選んで走る。
富士の新五合目を通って河口湖に行き、そこで給油してコンビニで食事だ。
カッパを着たままなので、食堂やレストランには入りにくく、どうしても食事はコンビニで済ますことになる。

仲間の1人が体調不良になり、ここで少し休むことに。
眠気と眼精疲労のため、目の焦点が合わなくなってしまったようだ。
ものが二重に見えたまま治らないとのことだった。
栄養剤を飲ませ、少し座って休んでもらった。

すると、近くでガシャンという追突音。
駐車場に停めてあった車がバックで出ようとしたのだが、後ろの駐車スペース外に停めてあった車にぶつけてしまったのだ。
持ち主が出てきて何やら話し合っている。
「いや~、すみませんね~。」
「いえいえ、気にしないで。」
「では、お気を付けて。」
なんだこの人達は。
バンパーが完全に壊れて陥没してるのに、それで会話終わり?・・・。

と、また聞き覚えのある爆音が迫ってきた。
また暴走族の集団である。
さっきより台数が増えて20~30台はあろうか。途中で合流したのだろう。
ここには長居したくないので、そそくさと撤収。

あとは道志街道を通って帰るだけだ。
しかし、三連休の中日とあってか、どこも大渋滞。
私の知らない裏道を抜け、ひたすら東京を目指す。
途中で1人また1人と別れ、私が帰宅したのは17:00だった。

全行程700数10km。所要時間25時間。休憩は全部合わせても1時間弱。
東京都、埼玉県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県、神奈川県。
1都6県に渡るツーリングもやっと無事に終わった。
本当にボロボロに疲れたツーリングだった。

このツーリングでTW225Eの課題も再確認できた。
直進性はかなり高いが、立ちが強くて小回りは苦手。
エンジンはマイルドだが上はあまり伸びず、ワイドレシオの5速ミッションのせいで適切なギアを選ばないと思い通りには走らない。
18馬力のパワーは街乗りでは十分だが、山道の登りではキツイ。
サスペンションはフロントもリアも柔らかくコシがないので、すぐにボトミングする。
7Lしか入らない燃料タンクは長距離ツーリングではツライ。
ツーリングでの燃費は30~34/Lといったところか。

耐久ツーリングでは疲れるバイクだが、近めのツーリングや街乗りでは乗りやすくて気兼ねなく走れる良いバイクである。
サスとタイヤそして燃料タンクさえ何とかなれば、どんな場所にでも入って行けるスーパーウエポンに変身するかも知れない。
走るためのバイクではなく目的地への移動手段としてとらえれば、こんな良いバイクも滅多に無いと思う。
次は、釣りやキャンプで働いてもらう事にしよう。

投稿者 Munapy : 2007年09月17日 11:19