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2007年10月6日~7日 静岡県戸田港
大きな魚を釣りたい・・・。釣り人なら誰でも思う事である。
小さな魚を釣るのも繊細で楽しい。
しかし、大物との格闘は釣り人と魚が対等の立場で戦うので惨敗することもあり、釣り人を熱くする。
式根島で巨大トビエイに惨敗し、大島ではハマフエフキがかすりもせず。
大物は、いつ何時かかるか判らない。
私の技術では、今持っている竿では微妙なやり取りは難しい。
そこで、衝動的にゴツイ竿が欲しくなってしまった。
遠投はできないが、船竿なら安くて強い物がいっぱいある。
釣り具屋へ行って船竿を探していると、300号2.4mの竿が目に飛び込んできた。
以前、手下F氏と三宅島に行ったとき、彼の持ってきた50号の船竿でも80cmオーバーのネコザメが余裕で寄せてこられた。
300号なら、もうどんな魚がかかってもへっちゃらだろう。
気が付くと私はその異常とも言える竿を買っていた。
新しい竿を買えば使いたくなるのが人情である。
家で竿を伸ばしてどんな具合か確かめる。
さすがに硬い。軽く振ったくらいでは全く曲がらない。
竿先を天井に付け、下から押し上げてみてもあまり曲がらない。
これならかなりの大物がかかっても余裕に違いない。
しかし、硬すぎて竿先に付けた鈴が鳴らないかも知れない。
これは実際の釣りで確かめてみるしかない。
手っ取り早く大物との格闘を楽しめるのはウツボである。
さばくのは一苦労だが、食べても美味しいのが嬉しい魚だ。
伊豆の夜釣りなら確実にゲットできるだろう。
そこで、ウツボの魚影が濃い戸田港に行くことにした。
悪天候で1週間ズレたため潮が若潮とあまり良くないが、ヤツラの事なので問題ないだろう。

ウツボは夜釣りなので、昼の11時頃ゆっくりと出発。
先日買ったモンベルのバイクウエア、ハイデュラジャケット&パンツを着て初めて遠出するので楽しみである。
今回は長い竿を持って行くので、竿ケースを使った。これをバイクに固定するのに、試行錯誤しながらかなり手間取った。
結局バイクの側面に沿ってゴムコードで固定したが、これだとウインカーが隠れて見えない。
他に積みようも無いので、仕方なくこのまま出発した。
NEWウエアの保温性が良いのか、荷造りだけで汗をかいた。
3連休なので、町中は渋滞していた。
高速に乗ってからも20kmほど渋滞が続いた。
この中でウツボ釣りに行くのは、私1人だけかも知れないなどと思いながら先を急ぐ。
やがて道は流れ始めたが、前回の釣りでTW225はエンジンを回すと極端に燃費が落ちることが判明したため、80~90km/hで巡行する。
天気予報は晴れだったが、雲が多くて日が差してこない。
街中では暑かったのだが、標高が上がるにつれて寒くなってきた。
1時になりお腹も空いたので、SAで小休止してモチを食べた。
沼津インターを降りて戸田を目指す。
途中、釣具屋に寄って300号の錘と大型より戻しを購入。
レジのオバサンが、こんなの何釣りに使うのかと聞いてきたので、堂々と「ウツボです!」と答えた。
苦笑いしながら「食べると美味しいんですよねー。」と言われたので「はい!そうなんです。」と答えた。
戸田までの道は、何度か来たことがあるのでほとんど覚えていた。
海沿いの道は混むので、戸田峠を通ってショートカットする。
釣場までは150kmほどである。ガソリンは現地で給油すれば余裕である。

3時頃釣場に着いたが、人がいっぱいである。停留している船も多く、竿を出す場所が無い。
しばらく写真を撮ったり、人の釣りを見て時間をつぶす。
やがて晴れてきて、暖かくなってきた。ジャケットを脱いでのんびりする。
勝負は夜釣りなので、急ぐ必要は無い。日が暮れればみんな帰って行くはずである。
家族連れがサビキ釣りで小メジナや小ダイをバンバン釣っている。
他の人は遠投カゴ釣りでマダイ狙いのようだ。しかし、誰も釣れていない。

ヒマなので堤防のヘチから水中を覗いてみると、雑魚がすごかった。
ネンブツダイ系、小メジナ、小ダイ、カワハギ、オヤビッチャ、カゴカキダイとエサ盗り集団が所狭しと泳ぎ回っている。
ウツボの身エサには苦労しなそうだ。
やがて1人の釣り人が撤収し始めた。すかさず、バイクごとそこに移動する。
浅いポイントでウツボ向きではないが、他に空いている釣り座がないのでここで釣ることにする。
まずは、ウキ釣りで雑魚を釣ってウツボのエサの確保だ。

今回持ってきたエサは、以前の釣りで余ったオキアミと、同じく余ったアオイソメを塩漬けにしたものだ。
ウツボのエサになりそうな雑魚がGETできなかった場合は、近くのスーパーで魚かイカを買ってくれば良い。
雑魚用の小さな針を付けてウキ釣りを開始する。
しかし、エサだけ盗られて何も釣れない。
水中の様子を確認すると、小さなカワハギがエサを周りからかじっている。
そこで、近くに少しだけエサを撒き、仕掛けは遠目に投げた。
やっと釣れ上がったのは15cmほどのマダイだ。
12cmほどのメジナも釣れた。
ウツボ釣りのエサにマダイとは贅沢だが、ネンブツダイ等が釣れるまでは仕方がない。
バケツに入れて活かしておく。

しばらく小メジナと小ダイの攻撃が続いたが、やっとネンブツダイ系のクロホシイシモチが釣れた。
マダイよりネンブツダイを喜ぶとは、変な釣りである。
日も暮れてきたので、大物仕掛けを用意してクロホシイチモチを付けて投入する。
300号の船竿に8000番のパワーギア仕様のリール、道糸はPE10号でハリスと針は石鯛用のワイヤー仕掛けである。
竿先に鈴を付け、投げ込んだあとは鈴が鳴るのを待つだけだ。
待つだけではヒマなので、ウキ釣りは継続である。
夜になってマダイやメジナは釣れなくなり、クロホシイシモチの猛攻が始まった。
仕掛けを投入して1分もかからずに釣れてくる。
あっと言う間に30匹くらい釣ってしまった。
これだけあればウツボのエサは十分である。
どこからともなく野良ネコがやってきて、ウツボ餌用のバケツを覗き込んでいる。
今晩の大事なエサなので、盗まれないように追い払う。
他の釣り人が帰ったら深場のポイントに移動するつもりだったが、何か変である。
誰も移動しようとしないのだ。道具を置いたままどこかに行っている人もいる。
隣の人に聞いてみると、今は夜釣りで大型のタチウオが釣れているとの事だった。
活きアジをエサに遠投している。
今日は釣れていないようで、何人か集まって宴会を開いている。
マズイ。このままでは深場のポイントに移動できない。

大物仕掛けを投入してすぐにアタリがあった。
アワセてみると、エサが頭だけ残して食われていた。ウツボかクロアナゴに違いない。
竿が硬すぎて鈴が鳴らなかったらどうしようと思っていたが、余裕で鳴って安心した。
波や風では鳴らないので、かえってアタリが取りやすそうだ。
日が落ちて寒くなってきたので、再びジャケットを着た。
風は無く穏やかだが、気温が急に下がってきたようだ。
クロホシイシモチを釣っていると、また鈴が鳴った。
少し間をおいて強くアワセたが、根に潜られてしまった。
仕掛けが丈夫なので、なかなか外れないし切れない。竿を真っ直ぐにして体で引っ張り、やっと道糸が切れた。
仕掛けを作り直し、再投入だ。
6時になろうとするころ、鈴が鳴って竿尻が跳ねた。
アワセてみると重い手応え。
上がってきたのは70cmのウツボだった。
竿が丈夫なので、竿の弾力など使わずに普通に抜き上げだ。
メーターオーバーを狙っていたのだが、ここは水深が浅い。
この大きさならOKだろう。とりあえず1匹確保だ。
頻繁に鈴が鳴るが、なかなか針掛かりしない。
竿が硬いので食い込みが悪いのだろうか。
魚が食べやすいようにエサを三枚におろして身だけにしてみた。
すると、激しく鈴が鳴って少し重めの魚が釣れ上がってきた。
75cmのクロアナゴだった。丸々と太い魚体で、食べ頃サイズだ。
私が釣るのを見て、遠くから釣り人がやってきた。
クロアナゴを見て「これはウナギだよ。でっかいウナギだなー。この辺はウナギが良く釣れるんだよ。」と言っていたが、どう見てもクロアナゴである。
こんな上目遣いの長物はクロアナゴしかいない。

アタリは結構あるのだが、なかなか針掛かりしない。
重い。かかった~と思うと根掛かりが続く。
仕掛けをロストして、だんだん残り少なくなってきた。
19時近くなりお腹も空いてきた。
今回の夕飯は、スティックパンだけの質素なものだ。
釣りしながらでも好きな数だけ食えるので便利だ。
また先ほどのネコがやってきて、私の食事を恨めしそうに見ている。
9本入りのパンなので、少しくらい分けてあげよう。
ちぎって投げると、くわえて離れた場所まで移動して食べている。
さすがは野良である。警戒心が強い。
1本分くらいあげたのだが、まだ少し離れたところに座ってこちらをうかがっている。
そこで、バケツに浮いて死んでいるクロホシイシモチを投げてみた。
すると、ウニャウニャ言いながら食べている。美味かったようだ。
それならばと、ウキ釣りを再開する。
今日は特別サービスだ。釣れたてピチピチの魚をプレゼント。
5匹くらいあげただろうか。満足したのか、いつの間にかネコはいなくなっていた。

潮止まりを迎え、アタリが無くなってきた。
たまに仕掛けをチェックするが、エサが無くなっていたり、ヒトデがついていたりする。
魚より動きの鈍いヒトデが先に食ってくるようではダメだ。
エアーマットをしいて横になる。
竿が硬いと竿尻が跳ねやすく、竿を海に持っていかれそうだったので、ロープにつないでバイクに固定した。
こうしておけば、安心して眠れる。
ウトウトしていると、鈴が鳴った。
50cmほどのウツボが釣れたが、この大きさはリリースだ。
丘に上がってからも激しく暴れ、針を外そうと手を近づけると飛びついて噛みつこうとする。
足で蹴って海に落とそうとしたが、靴に噛みついて離れない。
逃がそうというのに生意気なヤツだ。
少し風が出て、急に冷え込んできた。
中にフリースを着込んで、また横になる。
それでも寒くて眠れない。
また鈴が鳴って、50cmのクロアナゴが釣れた。
このサイズだと、竿は全く曲がらない。
手元に魚が暴れる感触が伝わってくるだけである。
クロアナゴとしては子供サイズだが、アナゴだと思えば食べ頃サイズなので確保した。

その後も何度か鈴が鳴ったが針掛かりせず。
目標のメーターオーバーまではほど遠い。
午前2時をすぎて、やっと深場のポイントが空いた。
しかし、アタリはあるがヒットせず。
クーラーボックスも重くなり、入れられてもあと1匹程度だろう。
針も残り1本となり、そろそろ撤収の準備だ。
ふと、ガソリンを入れ忘れていた事に気づく。
もう近くのスタンドは閉まっているし、開店まで寝て待っていたら風邪をひいてしまう。
高速のインターがある沼津までは50km。
もう150km走っているので、残り50kmほどしか走れない。かなりギリギリである。
そこで、緊急用にボトルに詰めて持ってきていた1.5Lのガソリンを給油する。
これで何とか街までは持つはずだ。
午前3時半、釣場をあとにして沼津へ向かう。
ところが、近道の戸田峠を通っているときに道に迷ってしまった。
地図を見ようとしたが、以前のツーリングで濡れてしまい、ページが張り付いて開かない。
破らないようにそっとはがしたが、ちょうど重要な部分が破れて読みとれなくなり、現在位置が判らなくなってしまった。
仕方なく標識を頼りに走るが、なかなか沼津方面が出てこない。
どうも修善寺方面に来てしまったようである。
予備ガソリンを入れたとはいえ、かなりマズイ状況だ。
エンジンを回すとガソリンを浪費するので、60km/hで流す。
しかし、山道は急坂が多く、どうしても回転数を上げないと登らない。
真っ暗な寒い山道を彷徨い、いざとなったら野宿だと思い始めたころ、狩野川放水路らしき川に突き当たった。
川の流れを確認し、下流に向かう。海まで出れば知っている道に合流するはずだ。
やっとの事で国道414号に出て、沼津までの道程が鮮明になった。
高速のインター近くに行けば、開いているガソリンスタンドもあるだろう。
街に出ると、いたるところのGSが開いていた。給油を済ませ、高速に乗る。
時刻は朝5時。かなり寒くて手がかじかんでくる。
早くも1つ目のSAで暖をとることにした。
寒さ対策で、レインウエアを重ね着する。
吐く息が白い。もうそんな季節になったのか。
薄明るくなった山際が、みるみるうちに明るんでくる。
やっとあの暖かい太陽に会える。
気を取り直して出発だ。スピードを出すと寒いしガソリンがもったいないので、80~90km/hで淡々と走る。
午前7時、無事に帰宅。
寒さと眠さと疲労で何もする気が起きず、とりあえずクーラーボックスに氷を追加して眠ることに。
ウツボやクロアナゴをさばくのは一仕事である。疲れ切った体では無理だ。
昼過ぎに起きて、魚をさばいた。
まだ保冷剤は凍っていて、魚は死後硬直状態。
ウツボの皮がハンドバックが作れるくらいに丈夫で、ナイフを研ぎながらさばいた。
少し小さめのウツボだったのであまり多くの身はとれなかったが、脂が乗って美味そうである。
クロアナゴは肉質も良く臭みも無かったので、これまた美味そうだ。
また宴会を開くのが楽しみである。
投稿者 Munapy : 2007年10月07日 20:43